私の上司は部下である私に対しても、部署全体についても無関心である。他人が苦労していても、自分の仕事を押し付けても平然としている。
そんな上司が昨日、驚きの一言を発した。
私は今、あるイベントに向けたプロジェクトリーダーを任されている。
メンバーで集まって話し合うことがあるのだが、そこに最近自分の部署に加わったAさんも参加してくれることになった。
私がAさんに「ありがとうございます」と言ったその直後、上司からこんな言葉が飛び出したのだ。
「メンバーのやる気のなさに驚愕しますよぉ^^」
…
あんたが言うな
どの口が言っとるんじゃ
という話である。
私の上司は他人に無関心だが、自分に仕事が降りかかってこない限りは何を提案してもうるさいことは言わない。
圧倒的な野心を持った人間なら、この状況を利用して上司だけでなく部署全体を乗っ取るだろう。
しかし、残念なことに私にはそこまでの元気はない。
無関心は辛い。やる気がどんどんなくなってしまう。
―やってる本人は無自覚のハラスメント
ちょっと話が逸れるが、この記事を書いている今日、私は会社で人権教育(以下、「研修」)を受けた。
これは、全社員を対象とするものである。
研修の中では、ある事例についてどう思うか話し合ってみるちょっとしたグループワークが実施された。
ワークの中で、「次の言葉はハラスメントに該当するか否か」というものがあったのだが、そのワークの作成理由についてこんなことを言っていた。
「ある会社さんからのアンケートで、”すごいハラスメントをしている人がいるのだが、本人は全く自覚がない。自覚が芽生えるような演習をしてほしい” と書かれていたのでこのワークを作りました」
講師の言葉を聞いて、「それってうちの上司のことじゃん」と思わずにはいられなかった。
―無関心な人・他人任せな人は他人の気持ちが分からない
あるプロジェクトでリーダーをやったときのこと。
細かな作業を私がやることになったが、データを業者に渡した後でいくつかミスが見つかった。
修正して再発注しなければならず、少しコストがかさんでしまうというミスであった。
そのときに上司が
「もうちょっとよく確認すればよかったなあ^^」
と言ってきたのを覚えている。
確認作業というのが社員300名分ほどのデータだったので、正直私一人には荷が重かった。
しかし、部署内(といっても私以外は上司ともう一人おっさんがいるだけ)でフォローもなく、孤独にやるしかなかったのだ。
というか、応援を求められる雰囲気でもなかった。だって、「勝手にやってくださいね」という雰囲気だったから。
また、別のプロジェクトリーダーを任されたときも同じようなことがあった。
私が困っていても信頼して相談できる人はいないし、不満を聞いてくれる人もいない。
そんな中でなんとかやり切ったプロジェクトで、誰かがプロジェクトについてちょっと至らなかった点について指摘してきた。
その指摘を聞いた上司が、
「そこはもっとちゃんとしないといけなかった」
みたいな発言をしたのを覚えている。
プロジェクトを進めたのは私で、あんたはいつも知らんぷりしてたじゃないか。
それなのに「ちゃんとすべきだった」という言い方は、私を責めているようなものである。
発言するなら「部下がちゃんとできていないことを認識できていなかった」じゃないのか。
一生懸命やる人間の気持ちが本当にわからないんだな、と思った。
上司の何気ない一言には、過去に何度も感情を逆なでされている。
―無関心な上司=他人事な上司。ロクなことない
部下に無関心
部署に無関心
仕事自体に無関心
本人としてはそれで問題なくやっているように思えても、部下である私は幾度も不快な思いをしている。
やる気を削がれ、
フォロー体制もままならず、
全部「やってくれるだろう」という雰囲気でやらされる。
で、仮にうまくいかないことがあったら、矢面に立たされるのはいつも私なのだ。
―他人のやる気と危機感を利用する上司
どれだけ無関心を決め込んでいても、少しは自分のもとに回ってくる仕事がある。
そういうとき、私の “無関心上司” は私のやる気と危機感を利用し、見事に自分の手から仕事を切り離す。
自分が何もしなくても、「やらなきゃヤバくね?」と嗅ぎ付けた部下がやってくれると思っているのだ。
で、任せたらフォローもしない。
どうせ「やれやれ、これで楽になったわ^^」としか思ってないだろう。
”やる気ある人認定” されて余計に災難が降りかかる
今の会社で働いて分かったのだが、「誰かがいつかやってくれるだろう」という意識が強い会社では、仕事を引き受けるほどに災難が降ってくる。
考えてみればしょうがないのだが、やる気のない人や他人事でやり過ごしている人の肩代わりをしているのだ。楽なわけがない。
自分の守備範囲外のこともしないといけないし、つらいことは大体自分が受け止めることになる。
「引き受けて損したわ」という気持ちが出てきたらもう終わりだ。
―無関心・他人事の上司が生まれるメカニズム
私の勝手な憶測である。
まず、無関心・他人事の上司が生まれるメカニズムの根底には、社風自体が他人任せなところがあると考えている。これは、私が今いる会社での実体験からだ。
みんなが他人任せだと、自分が頑張ることをしなくなる。
だって、他人任せで許される環境なのに、わざわざ自分から苦労を背負うなんてバカバカしくなってくるからだ。
それが蔓延すると、損得勘定にやたら敏感になる。これもうちの会社の特徴だ。ちょっとでも自分あるいは自部門の負担が増えるとなると、異様なほどにギャーギャー騒ぐ。
それなのに、ほかの優しい人や部門が「じゃあやってあげるよ」としぶしぶ提案すると、礼を言うわけでもなく「さも当然」といった顔をして仕事を押し付ける。
最後はこうだ。
「マニュアル作ってくださいね」
誰も注意しないのはなぜ
私は以前、銀行員をしていた。ハッキリ言って、仕事のやり方・パフォーマンスともに厳しく言われる環境であった。
銀行と比較すると、今の会社は責任感がない人に対して優しすぎる。それって、ちゃんとやっている人間には厳しくするのと同じだ。
上司がダラダラやっても、他人任せでも、部下に無関心でも、更にその上に立つ人は誰も注意しない。
「それがうちの会社だからさwwww」と平然と言う。
なにそれ。
ハラスメントじゃん。
誰も注意しないと、自分も声を上げにくくなる。
結果として、仕方ないと割り切るしかなくなってしまう。
―残念だが無関心・他人任せな上司にキレてもムダ
今まで上司の無関心・他人任せな態度に何度も腹が立ったし、悲しい思いもしてきた。
たまに、めちゃくちゃブチ切れる妄想もする。
ただ、キレても何もならない…と思う。
なぜかというと先に書いた通り、そんな上司が生み出されるのは社風の問題もあるからだ。
一人の無関心・他人任せな上司に怒りをぶつけても、何をそんな怒ってんの??と思われるかもしれない。
じゃあどうすんのか。
- 転職
- 自分もテキトーにやる
- 野心モリモリで部署乗っ取る
3番目の場合、周りがやる気のない中堅・小規模企業なら社長になれるんじゃないか。
私はすでにこの会社の空気に呑まれそうになっているので、無理である。
テキトーにやる癖をつけると魂が腐敗しそうなので、やっぱり転職だ。
「不満があるなら提案すれば?」
「上司がダメならあなたが頑張ればいいじゃない」
無関心・他人任せな上司について誰かに相談すると、いつもこんな感じで返される。
だから、なんで私のやる気任せなのか。
高い金もらってんのに仕事しない上司をどうにかしろや、と思う。…が、まあもう社風がこんなんだからしょうがないのだ。
同じ気持ちを抱えている人がいたら、つくづく同情する。
いつもブチ切れたい気持ちを抑えているんだろうな。
ここに気持ちを理解できる人間がいるよ、と。
しかし、そんなやつに魂を売ってはならない。
頑張って道を切り拓いていこう。