どれだけ優れたビジネス書を読んでも、自分のやる気があっても、仕事が上手く進まないことはある。
- 上司が無関心・仕事しない
- 周りが他人事
- 誰もやりたがらない仕事をやるハメになった
- 元から炎上している
- やる気のない人が集まっている
- ゴールが分からない
などなど。
仕事を任された本人が「さあやるぞ」と意気込んでも、上記のような状況では80点以上を目指すのは厳しいと思う。
だって、サポートを得るのが難しいし、自分のやる気が奪われやすい環境だから。
案外そういう環境でなんとかもがいている人って多いんじゃないか。
それでも何とか頑張らねば…と踏ん張っている人へ、私は拍手を送りたいと思う。
40点の仕事だって良いじゃない。そうなってしまう環境に問題があるんだからさ。とにかくそんな仕事はさっさと終わらせちまおう。
40点しか目指しようのない仕事を引いてしまった話
今から3年くらい前の話。会社のWEBサイトと名刺デザインをリニューアルしようという話になった。
私の部署は私以外にやる気がある人がいなかったので、なんとなく流れで私が進行役(リーダー)になったのだが、進めてみると「この仕事は40点が限界だぞ」と気が付いてしまった…。
理想から随分とかけ離れたクオリティになってしまったし、いまだにアレコレ社内で不満を言われることもある。
しかし、(実際に声に出すわけじゃないけどさ)これだけは言わせて。
だって、しょうがないじゃん。あの状況じゃ40点の仕事をやり切ることで精一杯だったんだよ。
40点の仕事でもやり切っただけでもマシだと思ってくれよ。
当時、今の会社へ入社したばかりだったのに、いきなり外れくじを引いたなと思わずにはいられなかった。
なぜその仕事は40点が限界だったのか
40点しか目指しようのなかった主な理由は以下のとおり。
- みんな協力的だと(私が)勘違いしていた
- 会社としてWEBサイトや名刺のリニューアル経験がほぼない
- デザインに興味のある人がほぼいない
- 会社自体にビジョンがない
- 具体的にどうしたいのか明確なビジョンがない
- みんな業者が全部やってくれると勘違いしている
- 質問に対する答えが主観ばかりで参考にならない
- なんとなく、で仕事に参加している人が多数
- 仕事の参加人数が多すぎる
結論、最初からつまづいていたということ。
「WEBサイトが古い!ダサい!」
「名刺のデザインがダサい!いつまでこれなんだよ!」
という声が多かったのは事実だが、みんな「誰か、いつか、良い感じにしてくれる」ことを望んでいるだけで、自分たちで考えて良くしていこうぜ!という雰囲気は皆無だったのだ。
私としては、そんなに現状のデザインに不満があるならみんな積極的に関わってくれるだろうという希望的観測を持っていたのだが、これがダメだった。
上層部がなぜか勝手に人をぞろぞろ集めたのだが当事者意識が薄い人ばかりで、これが「40点の仕事が限界」となる主な要因だったように思う。
仕事のフォーカスが「メンバーのお世話」に移ると40点以下になる可能性大
何かと世話が焼ける人が集まると、本来の仕事の目的達成よりメンバーのフォローで時間と気力が奪われる。こういう状況下では「40点が限界じゃね?」となってしまうので、割り切ることも重要だ。
例えば以下のタイプの対処法を考えてみる。
- 主観でしか意見を言わない
- 何を聞いても結局「あなたが考えれば?」となる
- 面倒くさがり
「会社にとってどうなのか」「受け手にとってどうなのか」を考えたいのに、個人的な好みしか言わない人がいる。どうしようもないので「参考にします」と流すしかない。
何を聞いても遠回しに「まっ、それを考えるのがあなたの仕事よ」みたいに言ってくる人もいる。私の職場でいうと経営層だ。
会社のビジョンが不明瞭なのでヒアリングしたら、私が考えてデザインに落とし込んでくれ、みたいに言われた。
こういうケースは堂々巡りになるので適当なところであきらめるしかない。
面倒くさがりな人には粒を小さくして仕事を振らないといけないので、時間と気力を奪われやすい。個人的に一番イヤなタイプ。
例えば二者択一で答えられるようにするとか、フォーマットに順番通り記入すればすぐ終わるとか、なるべくクリエイティブな部分を削いでから仕事を渡す必要がある。
仕事が嫌いなのか、理解できていないのか、何がそんなにダルいのかハッキリとした理由はわからない。もうそういう人なんだと割り切ってやるしかない。
40点が限界の仕事をやり切った先の学び
- 40点でもやり切ったもん勝ち
- 良い評価を求めない
- 抽象的な仕事を引き受けない
- 仕事を引き受ける前の準備を大事にする
イヤな臭いがする仕事はできるだけ引き受けたくない。しかし、誰かがやらなければならない仕事が自分に回ってくることもある。
そんな場合はまず、40点で良いのでやり切ることが大事だ。誰もやりたがらなかった仕事を引き受けたり、自らのやる気が削がれる環境で踏ん張っただけでも良しとしよう。
そしてちょっとツラいが、良い評価を求めるのはやめよう。というか、諦めよう。
そもそも40点が限界の仕事では「私なんとか頑張ったんですけど」と言ったところで伝わらないかもしれない。頑張りが適切に伝わる環境なら、最初から60点くらいは目指せるんじゃないかと思うからだ。
もし選べる状況にあるのなら、抽象的な仕事でリーダーを引き受けるのは遠慮したい。
抽象的な仕事というのは、例えばゴールが不明瞭であったり、仕事を進める上でキーとなる素材が見当たらないといった仕事だ。
「やってくれない?」と言われた仕事は、ある程度は道筋が立てられる状況を確認したから引き受けるのが理想である。
ぼんやりした仕事を引き受ける可能性があるときは、誰を集めるのか、ゴール設定をどうするのか、走り出す前に考えることをおすすめする。
他人が勝手に走り始めていたら、詰めるところは詰めてバトンをもらうようにしよう。私が失敗したのは渡されたバトンを「え?」と戸惑いながら受け取った部分もあるからだ。
例え40点しか目指せない仕事でも誰が悪い何が悪いと考えない
いろいろ書いたが、結局はその会社の人材レベルとか社風によるところも大きい。
仮に40点しか目指せなくても、それが今自分がいる環境だったらどうしようもないことがほとんどだ。
↓の記事に書いたが、私の上司は仕事に無関心で他人任せな人だが、私がそれを変えることはできない。
だから、誰が悪い・何が悪いというのは心の中で吐きつつも、なんとか這いつくばって40点を取りに行こう。
優秀すぎる人の考えに触れたり意識高めのビジネス書を読むと、40点が限界の自分がイヤになることもあるかもしれない。
しかし、仕事が上手く進んで行かないのは自分の能力のせいだけじゃないこともある。
高得点は目指せなくても、自分がやれる範囲のことをやり切ることに集中しよう。