今、自分が働いている会社では大がかりなプロジェクトが進行している。
具体的に何をやっているのかというと、完璧な生産システムを作りましょうというものである。
どうやらトヨタ式を真似するらしいが、わが社のレベルから考えるとかなり高い理想を追っていかなきゃいけない。
最近、私は本プロジェクトの広報をやってくれと依頼を受けたので、まずは共有してもらったプロジェクト会議の議事録を読んでみることにした。
それで、議事録を最初から読み始めて気が付いた。
今の会社に足りないのはモノ作りの仕組みじゃなくて、働く人の責任感とか熱量じゃないかということだ。
仕組み作りや改善プロジェクトの始動
前置きになるが、自分が働いている会社の状況についてちょっと触れておきたい。
今の会社は創業当時からオーダーメイドにこだわってきたが、ある時を境に量産型の生産方式に変革する必要が出てきた。
しかし、量産するための体制が整わないまま注文がドカっと流れ込んできてしまった。
嬉しいことなのだが、おかげで部品の調達やら製造やらがぐちゃぐちゃになっているというわけだ。
おまけに営業も客先へのヒアリングが浅く、注文を受けた後で製品の仕様変更を依頼されたり、キャンセルされたり全社的にてんやわんやである。
営業からすれば技術チームに問題があるらしいが、技術チームからすれば営業のテキトーさに問題があると。
まあこういった話はよくあると思うので、(他人事で申し訳ないが)特に事務方をやっている自分としては現場って大変だなと思うばかりだ。
で、会社としては「世の中儲かっている会社はやっぱり量産型だ」ということで、うちも大量注文に対応できる体制を本格的に整えなきゃマズイよね、となった。
そこでコンサルの力を借りつつ、去年から生産方式の改革が始まった。
責任感や熱量があってこその仕組み作りや改善
私が思うに確かに仕組みづくりは必要だが、それ以前にうちの会社には甘い部分について厳しく問う人がいない。
恐らくそれは私だけでなくほとんどの社員が感じているが、誰も厳しくあれこれ言われたくない。
だから、文句を言いつつもダラダラやっている結果が今なんだと思う。
上層部としてはいきなり大型の受注が入って来るようになったから変わらなくちゃ、ということらしい。
…が、本質的にはそこじゃないのでは?と私は思う。
別に注文の内容やうちの売り出し方がどうであれ、今の雰囲気ではいつかグダグダになる運命だったんじゃないか。
議事録を読んでいて、衝撃的なことがあった。担当してくださっているコンサルタントから、こんなことを言われていたのだ。
「まずは ”普通の会社” を目指しましょう。今、御社は普通じゃないので。」
「異常ばかりで何が正常か分からない」
「志が低い」
「もっと知恵を出してください」
「(サプライヤーと)戦った歴史が見えてこない」
「このままじゃ何も結果出ないまま今年が終わりますよ」
…果たして、今までうちの会社にこれほど鋭く言葉を投げかけた人がいただろうか。
コンサルタントが入ったことで我々が今まで熱量もなく、それっぽく目の前のことこなしていたことが改めて浮き彫りになった。
私はこのような生々しい議事録を読みながら、やっぱりまずはあらゆる仕事をテキトーにやっていたことについて、厳しめに詰められることが先なのかなと感じている。
本当はコンサルタントじゃなくて、社内でお互いにそれができないといけないが。
その先に仕組み作りやら改善やらが実を結んでいくのではと思う。
責任感や熱量の向上が仕組み作りにもたらすメリット
社員の責任感が増すと社員モラルが向上すると考えている。
テキトーにやったら詰められるので、ちゃんとするようになる。
それと、仕事で成果を出すために自分の在り方を考えるようになる。
自分の在り方というのは、会社での振る舞いなどに影響する。
うちの会社はトイレや歯磨きコーナーの使い方も汚いし、出勤時の挨拶もしない人が多い。個人的にはそれも仕事への責任感と関係あると考える。
だから、責任感が増すと会社全体の雰囲気も明るく元気になるんじゃないかな。
社員の熱量が増すと、もう少し前向きな姿勢で仕事に臨めると思う。
すると、信頼できる・考える社員が増えてくるので仕組み作りの過程で乗り越えなければならない壁に対して知恵が出てくる。
今はコンサルから「もっとちゃんと考えろ」と言われているような状態だが、社風改革につながる取り組みも同時にやらないことには理想的な体制も出来上がらないだろう。
仕組み作りだけを見ずに社員の意識改革も大事
…とまあ末端社員がエラそうなことばかり書いたが、他の会社はもっと厳しい雰囲気でやっているはずだ。
社員がもう少しピシッとやるようになれば、量産体制の構築ももっとスムーズにいくのにな、と思う。
今までゆるゆるやって許されていたので、現状コンサルタントの言葉が厳しく感じるかもしれない。
ただ、私としては歓迎しており、ここから派生して社員の仕事に対する責任感やら熱量やら、モラルが向上していったらやる気のある社員が更に輝ける環境になると考えている。
…私も頑張ろ(来年辞める予定でいるとはいえ)。